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2018/02/21

ワインと湿度について考える


ワインの保管には適当な湿度が必要と言われてますが、実際にはどうなんでしょう?
リーチインタイプの市販ワインセラーには私が知ってる限り加湿装置が付いたものはありません。実は設備的に湿度の安定はとても難しいのです。
冷凍サイクル(冷やす過程)で機器が冷却している時(機械が動いている時)はワインセラー内をどんどん除湿していきます。そして設定温度に達すると機械が止まります。すると今度は湿度は緩やかに上っていきます。相対湿度とは温度との相対なので温度の一定化が湿度の一定化になるのです。温度はディファレンシャル(機械のON、OFFの温度差)を約2℃で設定しています。例えば14℃設定の場合 16℃までセラー内の温度が上がった場合、機械が動き出し冷却をは始めます。そして14℃になると機械が止まり冷却を終了します。
同じように相対湿度は変化しています。設備の工夫で温度と湿度の一定化は出来ない事はありません。実際に弊社では車の試験装置においていろんな条件を作る事をやってきました。世界中にはいろんな気象条件の場所があります。砂漠地帯や高温多湿地帯、低温地帯、など いろんな環境の中で車が正常に動くか試験する装置です。その技術を使えばある程度の温湿度一定は可能ですが 設備的にすごくイニシャルコスト及びランニングコストが掛かり現実的ではありません。
ワインと湿度について諸説ありますが、実際にはワインボトルはコルクにて栓をしてあり、その上からキャップシールが施され 外部から湿度を吸収する場所はありません。
そして、内部にはワインが入っているのでワインがコルクに当たる置き方(斜めまたは横向き)に保管すればコルクが痩せる事も少ないです。
または 置き方に関係なく(立てて置いても)密閉されてボトル内では相対湿度は100%になるので湿度は関係ないという文献もあるそうです。
加湿器による加湿はセラー内にカビを繁殖させてしまい、大切なワインのエチケットをカビさせてしまう可能性があるので弊社では積極的な加湿は行っていません。
弊社の設備は加湿はしませんが除湿しにくい設備です。ワインセラー内の湿度を冷却する時に一旦、コイルに結露させ、その後冷却が止まると自然にワインセラー内にもう一度戻すようになっています。
しかし、お客様がご自身で加湿が必要と思われた時に備えてウォークインワインセラーにはセラー内にコンセントを設置し、加湿器を設置できるようにしています。

以上が私の考えるワインと湿度の独り言でした。



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